OpenAI、企業の機密保護需要に応える「Private Intelligence」を発表

ハードウェアで隔離された安全な環境と暗号化されたデータを表すテクノロジーイメージ
AI生成イメージ(説明図)
AI・テクノロジー報道記事

OpenAIが機密保護策「Private Intelligence」を発表。従業員がデータを閲覧できない審査環境や機密推論により、企業のデータ流出懸念に対応する。

3 POINTS
●OpenAIが顧客データ保護の包括構想「Private Intelligence」をDevDay 2026で発表
●「ZDR with PSP」は顧客管理ストレージとハードウェア証明ランタイムを用い、平文を保持せず安全審査を実施
●今秋提供予定の「Private Inference」により、AI推論処理自体の機密性と検証可能性を高める計画
30日間
審査用暗号化データの顧客ストレージ保持期限
2技術
Private Intelligenceを構成する安全審査と機密推論
WHY IT MATTERS
機密コードや未公開研究を扱う企業の間でデータ流出への警戒が高まる中、単なる利用規約上の約束にとどまらず、暗号化や分離環境といった技術的仕組みによって情報隔離を担保する動きが加速しています。

OpenAIは開発者会議「DevDay 2026」にて、企業顧客向けの新たなデータ保護施策「Private Intelligence」を発表した。顧客データと自社環境との間に技術的な境界を設けることで、データ漏洩や知的財産の流出を警戒する企業の懸念に応える狙いがある。

同施策は、現在利用可能な「Private Safety Processingを組み合わせたZero Data Retention(ZDR with PSP)」と、今秋提供予定の「Private Inference」の2つの技術で構成される。

ZDR with PSPは、OpenAIの従業員が顧客データにアクセスできない環境で、自動化された安全性レビューを行う仕組みだ。審査対象のデータは暗号化され、AWS S3やAzure Blob、Google Cloud Storageなど顧客自身が管理するストレージに30日間の保持期限付きで保存される。OpenAIは平文データを保持せず、運用用メタデータと参照情報のみを管理する。データは「ハードウェア証明されたセーフティランタイム」内でのみ復号・審査され、モデルの学習には利用されない。

一方のPrivate Inferenceは、コンフィデンシャル・コンピューティングと検証可能な制御を組み合わせ、AI推論処理そのものの秘匿性を高める技術とされる。

この発表の背景には、高度なAIモデルの導入に伴う企業側の警戒感がある。報道によると、PalantirやNvidia、Booz Allen Hamiltonなどが機密情報の流出を懸念し、モデルの利用制限や契約見直しを検討しているとされる。学術研究の分野でも、AIに入力した未公開データがモデルの学習や成果に影響を及ぼしたのではないかという議論が生じていた。

OpenAIはこれまでも企業契約データでの無断学習を行わない規約を設けていたが、今回の取り組みはポリシー上の約束にとどまらず、技術的な仕組みによってデータ保護を担保するアプローチとなる。

なお、今秋登場予定のPrivate Inferenceについては、対象モデルやAPIエンドポイント、ChatGPT Enterpriseでの対応可否、利用ハードウェアや費用といった詳細は公表されていない。

情報源: 元記事を確認
venturebeat.com