MED-EL、外部機器不要の完全体内埋め込み型人工内耳「TICI UNICO」を発表

皮膚の下に埋め込まれた機器が音を受信して蝸牛へ電気信号を送る完全体内埋め込み型人工内耳の仕組みを示す模式図
AI生成イメージ(概念図)
ヘルス報道記事

マイクを含む全部品を皮下に埋め込み、外部装着機なしで24時間途切れない聞こえを実現する完全体内埋め込み型人工内耳が欧州で登場した。

3 POINTS
●MED-ELが外部機器を一切持たない完全体内埋め込み型人工内耳「TICI UNICO」を発表
●皮膚越しに集音する新マイク技術により、睡眠中や水中活動中、充電中も24時間途切れず聴取可能
●欧州でCEマークを取得し市場導入が進む一方、米FDA未承認のため米国では利用不可
24時間
外部機器なしで音にアクセス可能な連続時間
CEマーク
取得済み欧州認証(米FDAは未承認)

聴覚インプラント技術を手がけるMED-ELは、外部機器を一切持たない完全体内埋め込み型人工内耳「TICI UNICO」を発表した。同社は、市販製品として世界初かつ唯一の「外から見えない」人工内耳であるとしている。同製品はすでに欧州のCEマーク認証を取得して欧州各市場での導入が進められている一方、米食品医薬品局(FDA)の承認は得ておらず、米国での販売や使用はできない。

対象は重度から重篤の感音難聴者。マイクを含むすべての部品を皮下に埋め込み、皮膚越しに集音して電気信号へと変換し、蝸牛を刺激して聴神経経由で脳へ音情報を送る仕組みだ。外部に装着する機器が不要なため、睡眠中や運動時、水中での活動時を含め日常を通じて音にアクセスでき、充電中も途切れることなく聴取を継続できるという。

同社によると、皮膚を通して音を感知するマイク技術が開発における最大の課題の一つであり、今回の技術革新の核になったと説明している。また、これまでの臨床調査データや経験から、外部装着機器を必要としない利点を備えつつ、従来の人工内耳と同等の聴覚パフォーマンスが得られることが示されていると主張する。

初期の執刀医の一人であるリエージュ大学病院のフィリップ・ルフェーヴル教授は、外見上見えない点だけでなく、24時間音が聞こえる状態の実現に大きな意義があると評価した。ミュンヘン大学病院のヨアヒム・ミュラー准教授は、外部機器が見えないことで患者が自信を持って日常生活に参加できるようになると述べている。MED-ELの共同創業者兼CEOであるインゲボルグ・ホッホマイア博士は、長年の夢が実現したとした上で、これまで人工内耳に関心を持っていなかった人々に対しても聞こえの選択肢が広がることに期待を示した。

情報源: 元記事を確認
med-techinsights.com