腸内細菌C.ディフィシル、耐性遺伝子で消毒薬や熱に耐える芽胞を形成 豪研究チーム報告

強固な外殻構造を持つC.ディフィシル菌と休眠状態の芽胞を描いた科学的イラストレーション
AI生成イメージ(概念図)
ヘルス報道記事

C.ディフィシル菌が耐性遺伝子により、病院用消毒薬や高温洗浄に耐える頑丈な芽胞を作る仕組みが判明しました。

3 POINTS
●モナシュ大学の研究で、C.ディフィシルが薬剤耐性遺伝子を取り込み頑丈な芽胞を形成することが判明
●耐性遺伝子由来のタンパク質が芽胞構築のタンパク質を代替し、消毒薬や高温洗浄への耐性を付与
●芽胞は人や院内環境を介した主要な感染経路であり、研究チームは新たな対処法を調査中
数百万件
世界保健機関(WHO)が推定する薬剤耐性による年間関連死亡数
WHY IT MATTERS
院内感染で重篤な下痢を引き起こす細菌が、抗菌薬への耐性だけでなく病院用消毒薬や熱水洗浄にも耐える芽胞を作るため、医療現場や家庭での感染制御と感染拡大防止がより困難になる恐れがあります。

危険な院内感染を引き起こす腸内細菌「クロストリディオイデス・ディフィシル」が、薬剤耐性遺伝子を取り込むことで、病院用消毒薬や高温の洗濯にも耐える強固な芽胞を形成することが示された。オーストラリア・モナシュ大学の研究チームによる成果が、学術誌『Nature Communications』に掲載された。

この細菌は病院内で多く見られ、体調を崩している患者に重篤な下痢を引き起こすことがある。植物の種子のように休眠状態で環境中にとどまる芽胞は、人の腸内など適した環境に入ると活動を再開して増殖する。

研究チームによると、この細菌が特定の薬剤耐性遺伝子を獲得すると、抗菌薬が効かなくなるだけでなく、より強固な芽胞を作るようになる。耐性遺伝子が生成するタンパク質が、芽胞形成に不可欠なタンパク質の役割を代替するため、細菌は芽胞を作り続けることが可能になるという。これにより、病院グレードの洗剤や熱水洗濯にも耐えうる芽胞が生み出される。

筆頭著者のヨギータ・スリカンダ博士は、芽胞こそが医療機関や家庭、環境中で人から人へ病原体が広がる主要な経路であると指摘する。芽胞の構造を変える耐性遺伝子は感染制御を困難にし、耐性株の拡散を助ける可能性があるとして、研究チームは新たな耐性への対処法の解明を進めている。

TAKEAWAY
薬剤耐性遺伝子が細菌の芽胞構造を強化し消毒薬も効きにくくなるため、芽胞を標的とした新たな感染対策の解明が急がれます。
情報源: 元記事を確認
news-medical.net