- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
米当局によるボットネット解体作戦の裏で、中国関連ハッカー集団が新たな攻撃網「サイレント・トレイン」を構築し、重要インフラへの侵入を継続していた実態が判明しました。
中国関連のハッカー集団「ボルト・タイフーン(Volt Typhoon)」が、米捜査当局によるインフラ解体作戦の裏で別の攻撃用ネットワークを水面下で構築していたとする調査結果を、米通信大手ルーメンの脅威インテリジェンス部門ブラック・ロータス・ラボが公表した。
報告によると、「サイレント・トレイン(Silent Train)」と呼ばれるこのネットワークは、政府機関や防衛関連企業、通信事業者、大学、重要インフラ運用組織などを標的とした3年間の活動を支えてきたという。関係者や元米政府高官によると、米エネルギー省の施設や複数の公益事業者も過去1年ほどの間に標的となったり影響を受けたりしたとされる。
米連邦捜査局(FBI)などは2023年12月、同集団が侵入の隠蔽に利用していたルーター網「KV Botnet」を無力化した。しかし、米当局が対処や被害者への通知を進める最中にも、並行して新たなネットワークが形成されていた。
サイレント・トレインは、侵害されたルーターや企業向けネットワーク機器、日常的なインターネット接続機器などで構成されていた。TP-LinkやNetgear、Fortinet製品など27種類以上のデバイスが悪用されており、既知の欠陥がない機器も含まれていたことから、未発見の脆弱性が使われた可能性が示唆されている。また、接続を常時維持せず平均約4時間(数分間のケースもある)に限定し、活動後には痕跡や通信経路を消去していた。
標的は、インド太平洋地域につながる米国の防衛・インフラ網の拠点とみられるハワイ、カリフォルニア、テキサスなどの組織に集中していた。通信事業者に対しては、システム全般の権限を持つ企業向けIT管理ツールを直接狙う手口が確認されている。
米国はこれまで技術的な妨害や外交ルートを通じた警告を行ってきたが、十分な抑止効果を上げられていない実態が今回の調査でも示されている。