ファイアサラマンダー、紫外線下で緑やシアン色に蛍光することが判明 分泌液も発光

紫外線ライトを浴びて腹部や体側の黄色い模様が緑やシアン色に鮮やかに蛍光するファイアサラマンダーの科学イラスト
AI生成イメージ(概念図)
科学報道記事

毒を持つファイアサラマンダーが紫外線下で緑やシアン色に蛍光することが判明。体外に出た毒性分泌液も24時間以上発光を維持します。

3 POINTS
●ファイアサラマンダーが紫外線を浴びると腹部や体側の黄色い部分を中心に緑やシアン色へ蛍光することを発見
●蛍光は皮膚の分泌腺と分泌液に由来し、体外へ放出された後も24時間以上にわたり発光特性を維持
●目的は仲間とのコミュニケーションや捕食者への警戒色強調などの仮説があり、原因物質の特定が進む
24時間以上
分泌液が体外で蛍光を維持する時間
危急(VU)
IUCNレッドリスト指定の保全状況

黒と黄色の鮮やかな体色と毒で知られるヨーロッパの有尾両生類「ファイアサラマンダー」が、紫外線を浴びると緑やシアン色に蛍光する性質を持つことが新たな研究で明らかになった。

この蛍光は、特に腹部や体側の黄色い部分で強く見られる。研究チームが確認したところ、発光は皮膚の分泌腺およびそこから放出される分泌物に由来しており、分泌液は体外に出た後も24時間以上にわたって蛍光を保ち続けるという。生体蛍光は紫外線を吸収して可視光として再放出する現象で、ホタルのように体内反応で光を作り出す生物発光とは異なる。

蛍光が持つ生物学的な役割は確定しておらず、現在は仮説の段階にある。夜間や鬱蒼とした森林で仲間を認識したり配偶相手を選んだりするコミュニケーション機能のほか、毒性を捕食者に知らせる警戒色を強調する防御シグナルの可能性が挙げられている。夜間の月光には紫外線や紫色の波長が多く含まれるため、暗闇で他の個体に見えやすくなっている可能性も指摘されている。

蛍光を引き起こしている化合物の正体はまだ特定されていない。長年研究されてきた皮膚分泌物であるにもかかわらず蛍光の報告は過去になく、研究チームはこの種で未確認だった分子の可能性があるとみて特定作業を進めている。

ファイアサラマンダーは生息地の破壊や分断により、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「危急(Vulnerable)」に指定されている。蛍光が行動や生存に与える影響の解明は、この種の生態理解を深め、保全活動への応用にもつながると期待されている。

情報源: 元記事を確認
sciencedaily.com