外太陽系の惑星軌道、従来の想定より大幅に早く崩壊か 米カリフォルニア工科大が試算

質量を放出する赤色巨星の周囲で、外惑星の軌道が不安定化し宇宙空間へ散乱していく様子の科学イラスト
AI生成イメージ(概念図)
宇宙論文・学会

太陽が質量を失う際の不規則な質量放出により、外太陽系の惑星軌道は白色矮星形成後わずか約10億年で崩壊し得るとの研究結果が示された。

3 POINTS
●従来の滑らかな質量減少モデルでは約10^18年維持されるとされていた外太陽系の惑星軌道が、不規則な質量放出により大幅に早く崩壊する可能性が判明した。
●太陽で想定される放出規模(10^-4太陽質量)では、赤色巨星段階ですでに約40%、白色矮星形成後30億年以内には約90%のシミュレーションで軌道が崩壊した。
●白色矮星形成後の太陽系の寿命試算は従来の約10^18年から約10億年規模へと、約10億分の1に縮小する。
約10億年
試算による白色矮星形成後の外太陽系寿命(従来比10億分の1)
約40%
赤色巨星段階で軌道崩壊・激しい散乱に至る試算確率
約90%
白色矮星形成後30億年以内に軌道崩壊に至る試算確率

太陽が将来質量を失う際、外太陽系の惑星軌道が崩壊するまでの期間は、従来の想定よりも大幅に短くなる可能性があるとする研究結果が発表された。米カリフォルニア工科大学のコンスタンティン・バティギン氏らの研究チームによる数値シミュレーションで示された。

太陽が白色矮星へと移行する過程での質量減少について、従来の計算では時間経過に伴う滑らかな減少が仮定されていた。このモデルでは惑星の軌道長半径が約2倍に広がるものの、軌道そのものは約10^18年にわたり安定し、他恒星の接近などを考慮しても300億〜1000億年間は崩壊しないと考えられてきた。

しかし、赤色巨星段階の恒星は時間や方向が不規則な質量放出を起こし、これが惑星軌道に速度変化(キック)を与える。研究チームがこの確率的な質量放出を組み込んでシミュレーションを行ったところ、1回あたりの放出質量が大きいほど外惑星の軌道が不安定化しやすいことが分かった。

太陽で想定される放出規模(10^-4太陽質量)を適用した場合、白色矮星が形成される前の赤色巨星段階ですでに約40%のシミュレーションで軌道の崩壊や激しい散乱が発生し、白色矮星の形成後30億年以内には約90%が崩壊に至った。

この結果に基づくと、白色矮星形成後の太陽系の寿命は、従来の試算である約10^18年から約10億年規模へと、10億分の1程度に縮まる計算になるという。

TAKEAWAY
太陽の進化末期に生じる不規則な質量放出が外惑星の軌道を撹乱し、太陽系の存続期間を従来の想定から10億分の1に縮める可能性がある。
情報源: 元記事を確認
aasnova.org