大気を持つ「最も低温」の溶岩惑星を発見 初期地球の環境解明に手がかり

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した、大気と溶岩の表面を持つ太陽系外惑星HD 3167 bの概念図
AI生成イメージ
宇宙

大気を保持する溶岩惑星として最も低温な「HD 3167 b」を発見。初期地球のマグマオーシャン期に類似しており、惑星形成期の環境解明に期待される。

3 POINTS
●JWSTの観測により、地球から154光年の距離にある最小の溶岩惑星「HD 3167 b」が大気を保持していると判明。
●昼側の温度が理論予測より低く、大気が恒星光の反射と夜側への熱循環によって冷却していると分析された。
●生命には適さないが、全表層が融解していた初期地球の環境を解明する手がかりとして注目される。
154光年
地球からの距離
1地球日
公転周期
10個
大気形成調査の対象溶岩惑星数
WHY IT MATTERS
恒星の至近距離にありながら大気を保つメカニズムの解明は、多くの溶岩惑星が大気を持つ可能性を示唆している。かつてマグマオーシャンに覆われていた初期地球の条件や、岩石惑星の進化プロセスを理解する重要な手がかりとなる。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測により、大気を持つ溶岩惑星としては観測史上最も低温の太陽系外惑星が特定された。地球から154光年の距離にある「HD 3167 b」で、恒星をわずか1地球日で周回する岩石質のスーパーアースだ。表面が溶岩に覆われた惑星としては過去最小でありながら、大気を保持していることが明らかになった。

恒星の至近距離を公転する岩石惑星は、恒星風や高エネルギー放射によって大気が剥ぎ取られやすいと考えられている。研究チームはJWSTの中間赤外線観測装置(MIRI)を用い、惑星が恒星の背後に隠れる「二次食」のデータを分析した。その結果、昼側の温度は大気がない場合の理論的予測よりも大幅に低かった。大気が恒星の光を反射するとともに、熱を夜側へ循環させて昼側を冷やしているとみられる。

本研究は、メリーランド大学のミーガン・ワイナー・マンスフィールド氏が主導する、溶岩惑星の大気形成条件を調べる調査プログラムの一環として行われ、学術誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載された。

共著者であるシカゴ大学のエドウィン・カイト准教授や筆頭著者のブランドン・パーク・コイ氏は、この惑星は生命には適さないものの、天体衝突の熱で表面全体が融解していた初期地球の「マグマオーシャン」期に類似していると指摘。地球誕生から最初の数百万年間における環境を解明する手がかりになると期待を示している。

情報源: 元記事を確認
space.com