亜南極でペンギンの新種を特定 ジェンツーペンギン、実際は4種に分岐

亜南極の荒涼とした島々と冷たい海、そしてゲノムの連なりを抽象的に表現した編集ビジュアル
AI生成イメージ
科学報道記事

1世紀以上ぶりにペンギンの新種が特定され、従来1種とされたジェンツーペンギンが実際には4種に分かれることが判明しました。

100年以上
ペンギンで新種が命名されるまでの期間
4種
研究により判明したジェンツーペンギンの構成種数
22人
研究チームを構成する科学者の数
30万〜50万年
研究チームが推定する新種形成にかかった期間
3 POINTS
●米チリの研究チームが、亜南極に生息するサウスイースタン・ジェンツーペンギンを新種として特定
●ゲノムや生態の調査により、外見が同一のジェンツーペンギンが実は4つの独立した種で構成されていると実証
●柔軟な食性と定住性、地理的障壁が重なり、過去30万〜50万年の間に遺伝的な種分化が進行
WHY IT MATTERS
100年以上議論が続いていたペンギンの分類論争に、最新のゲノム解析や生態調査による決定打がもたらされました。外見が酷似していても生態や遺伝的孤立によって別種へと進化するという、生物多様性と進化の理解を深める重要な発見です。

米国とチリの研究チームが、亜南極海域のケルゲレン諸島やハード島に生息する「サウスイースタン・ジェンツーペンギン(学名:Pygoscelis kerguelensis)」を新種として特定した。ペンギンで新たに種が命名されるのは1世紀以上ぶりとなる。研究成果は学術誌『Communications Biology』に掲載された。

ジェンツーペンギンは長年1つの種として扱われてきたが、外見上は同じに見えるものの、ゲノムや形態、生態の網羅的な調査によって実際には4つの独立した種に分かれることが示された。今回特定されたサウスイースタンのほか、ノーザン(P. papua)、サザン(P. ellsworthi)、イースタン(P. taeniata)で構成される。

カリフォルニア大学バークレー校脊椎動物学博物館のローリー・ボウイ教授は、「ジェンツーペンギンほど分類について議論されてきた種はおそらくない。いくつの種や亜種が存在するのか100年以上にわたり論争が続いていたが、本研究は最先端の統合的アプローチを用いてその問いに対処した」と述べている。

研究チームによると、周囲の魚やオキアミ、イカなどを捕食できる柔軟な食性が、渡りを行わずに毎年同じ場所へ営巣する生態につながったという。これにより孤立した島ごとの習慣が時間をかけて遺伝的に固定され、地理的な孤立や「南極極前線」による海の障壁も相まって、過去30万〜50万年の間に新種の形成が進んだと説明している。

TAKEAWAY
外見は同じでも遺伝的・生態学的には別種。柔軟な食性による定住と地理的隔離が、独自の種分化を促しました。
情報源: 元記事を確認
nypost.com