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科学報道記事
中国で約1億5000万年前の新種鳥類化石が発見された。鋸歯状の歯や鎌状の爪など恐竜の特徴を残し、地上生活に適応して飛翔能力を失っていた可能性が示されている。
約1億5000万年前
化石が生息した年代(ジュラ紀後期)
カラスほど
推定される体の大きさ
既知で最古
飛翔能力を失った鳥類系統としての位置づけ
3 POINTS
●中国福建省のジュラ紀後期地層から、新種の鳥類「ユエジュオルニス・ヤンユアネンシス」の化石を発見
●鋸歯状の歯や足の鎌状爪など小型肉食恐竜の特徴を持ち、骨格比率から飛翔能力を失った地上性鳥類と分析
●飛翔能力を失った鳥類系統として既知最古の例とされ、初期鳥類の進化が飛翔一方向ではなかった証拠を示している
WHY IT MATTERS
鳥類の進化は単純に飛翔能力を高める一方向の過程ではなく、ジュラ紀後期の最初期から一部が地上生活に適応して飛翔能力を失うなど、極めて多様で複雑な適応放散を遂げていた可能性を示す重要な発見です。
中国南東部の福建省で、約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の新種の鳥類化石が発見された。初期の鳥類が飛翔能力を高めるだけでなく、飛ぶ能力を失って地上生活に適応する進化をたどっていた可能性を示唆する成果として、英科学誌『Nature』に発表された。
カラスほどの大きさの新種は「ユエジュオルニス・ヤンユアネンシス(Yuezhuornis yangyuanensis)」と命名された。中国科学院古脊椎動物古人類学研究所(IVPP)と福建省地質科学研究所の研究チームが発掘・報告したもので、系統解析により現生鳥類とその近縁種を含む「Avialae」に属し、飛翔能力を失った鳥類の系統としては既知で最古の例とされる。
ユエジュオルニスは鳥類特有の骨盤や後肢の構造を持つ一方、小型肉食恐竜のような特徴も保持していた。顎には鋸歯状の歯が並び、足の第2趾には後方に大きく曲がる鎌状の爪を備えていた。四肢の骨格比率が現生の地上性鳥類や鳥類に近い恐竜と類似していることから、地上で生活し、飛翔はできなかった可能性が高いと分析されている。
研究チームは、ジュラ紀後期の時点で鳥類がすでに多様な環境に適応し、幅広い形態や生態的役割を開拓していたことを示す発見であり、初期の鳥類進化がこれまで考えられていた以上に複雑だった証拠だとしている。
TAKEAWAY
約1億5000万年前の新種化石は、最初期の鳥類が飛ぶことだけに特化せず、多様な生態系へ進出していたことを示しています。